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乳幼児期におけるアート活動(遊び)について⑤-2「表現×コミュニケーション」

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こんにちは。

子どもの専門家ブログです!

今回は、乳幼児期におけるアート活動(遊び)について⑤-2「表現×コミュニケーション」のつづき、子どもたちの作品についてと鑑賞活動についてです。

表現×作品×コミュニケーション

子どもの表現活動の現場に立ち会うことができた時、その豊かな創造空間の素晴らしさを身をもって体感することができます。しかし、そのプロセスの意義深さは、その場にいなければ、なかなか伝わらないものです。

アート活動の良さは、活動の結果として「作品」が残ることです。しかし、ただそれらを考えもなしに掲示しても逆効果になることもあります。

子どもの個々の作品を引き立たせ、なおかつ全体の展示の響き合いをどう構成するか、保育者(大人)の工夫が大切となってきます。

①作品をどこに展示するか

保育園や幼稚園の限られたスペースの中では、展示スペースに制約があるとは思いますが、その時々の作品が最も効果的、また創造力がより広がるような場所を選べると良いです。

例えば、透過性のある作品を制作した時など、日に当たる窓ガラスなどに展示すると、より作品が映えます。

②テーマを考えた工夫

その時々の活動のテーマを考え、子どもの作品を主役としつつ、適度に装飾などを施すとより展示空間が生き生きとします。作品の素材感を壊さない様な装飾を考えることが大事です。

例えば、和紙で工作した場合は、装飾も和紙素材を使うなどのマッチングを考えていきます。

③個性と調和

個性が伝わるような配置を心掛けます。作品は、色味の違うものや、表現の違ったものを隣り合わせに置くなどすることで、互いに引き立て合いながら、響き合いも生まれることもあります。

④保護者に伝える

作品の展示に工夫をしたとしても、十分にその楽しさを伝えることは限界があります。もし可能ならば、制作中の子どもの姿や、会話のメモ、また作品の魅力を一言付け加えることができるとさらに良いです。

⑤保護者、子どもとのコミュニケーション

直接会話できれば、保育者から活動の様子を伝えることが理想的といえます。そこに子どもを交えて楽しかった活動の話ができれば良いですし、帰宅後にどんな話ができたか、家に飾って頂いたか、ご家族に認めてもらえば、子どもの意欲は、さらに高まります。

⑥ドキュメンテーションにまとめる

アート活動をどう記録し、まとめるか。また振り返りによって得た課題をどう活かすか。ドキュメンテーションという方法でそのプロセスをまとめ、子どもの姿や気付きを写真とともに記録しておけると良いです。これらは園に提示して、保護者に伝える手段としても有効です。

表現×鑑賞×コミュニケーション

共に認め合う喜び 鑑賞活動

表現活動は、大人や保育者が求める「あるべき形」よりも子ども達が自ら感じて自ら表現することを大切にするべきです。作品にはその試行錯誤のプロセスがぎっしり詰まっているといえます。制作を終えて、作品が完成したら、各々の創造の果実を「鑑賞会」によって、楽しみ、共感し、共有しましょう。

鑑賞会は、

①リラックスしながら、作品を自由に感じて、共有する時間と空間

自分が心から感じ、思ったことを言葉で発するためには、解放された自由な環境(精神的にも身体的にも)が保障される必要があります。まずみんながリラックスできて、感動できて、自由に発言できて、楽しい豊かな時間だなと実感することから、徐々に楽しい鑑賞会を続けていくためにどんなことに配慮が必要か考えていけるようになることが大切です。

②作品を展示することで生まれる個性の響き合いを感じて、楽しむ

美術は、同じテーマ、技法を用いて活動をしても、個々が感じ各々が表現していくことで全く違う世界観が現れてきます。鑑賞会で全員の作品を展示する意味は、一人一人の表現が違うことの驚きと、それでも不思議と作品が響き合い、より豊かな感動を得られ、この表現が、「人と人が繋がる喜び」に変換される瞬間にあるのです。

③自分の作品の魅力を先生たちや友だちから、十分に言葉でも認めてもらう

まずはなにより、この時間が大切です。自分の表現が承認されることが十分にためされ、満たされたとき、次に他者への関心、受け入れに向かっていきます。始めから友だちとの作品を見ることを強要してしまうと、ストレスとなってしまう危険性もあります。子どもの気持ちを汲み取りながら、まずは、保育者が、一人一人の作品を丁寧に評価していくことが重要です。

④他者の作品に目を向け、魅力的な所を言葉で伝え合う

③が十分になされた所で、他者の表現にも目を向けられるようになることが、成長です。鑑賞会を3歳児から経験していくと、徐々にこうした視点が芽生えてきますので、焦らず積み重ねていきます。5歳児頃には社会性や他者との比較、客観性が芽生えてきますので、批判的な発言も見られることもありますが、自分の見解は他者から見ると違うという多様な価値観を伝えることや、「他人の良い部分を見つけることで、自分にはない部分やできないことを意識し、他者を評価する視点を培う」教育的な方向性を示唆していくことも大切です。

⑤他者の言葉から、さらに想像を広げ、作品の感じ方を豊かにする

ギャラリートークの最大の魅力は、それぞれが感じたことを自由に発話することで、それを聞いている人の感じ方、イメージが、連鎖的に変化していき、広がり、豊かになっていくということです。「感じたことを表現する」プロセスが詰まった作品のひとつひとつを、じっくりとみんなで鑑賞し楽しむ喜びを体感することで、「鑑賞会という」活動が楽しむになってきます。

他者との表現を楽しみ合い、刺激し合い、想像を豊かにし、次なる創造の糧を得られる「鑑賞会」の意義を、幼児期より育んでいきたいものです。

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